仙人そば

2006年11月20日





00の谷を抜け、100の山を越えた先にある霞たなびく峰巒にものすごくおいしいソバ屋があると聞き、

本日行って参りました。


この店の存在を知ったのは1年程前。

近所のおじいちゃんから教えて頂いたのですが、いかんせんおじいちゃんの描く古文書みたいな地図と

「さ行」の発音を「しゃ行」に言い換えたような説明では全く辿り付ける気がしませんでして、すっかり諦めて

おりました。


が!

本日、運良くこの店の住所を知ることができたのです。

住所さえ分かってしまえばこちらのもの。カーナビに住所をセットすればあっという間に目的地です。

車を走らせること2時間余り。辺り一面 山 山 山 見渡す限りの 山 山 山


見事に紅葉した山々が都会の喧騒に疲れた僕を優しく迎えてくれました。

嗚呼、素晴らしきかな大自然。

秋の深まる山々を眺めつつ、そこからさらに車を走らせること1時間。

するとそこは!


当初の心地よさなど微塵も感じない昼なお暗き死の樹海。

どこからともなく得体の知れない獣の雄叫びがこだまし、上空には僕の死を待つかのようにカラスが飛び交う。

どこ?ここ?

なにこの気持ち悪さ。なにこのありえなさ。絶対、精気吸い取られてる。

そしてその後、首吊る以外に用は無いような樹海のド真ん中で

カーナビ「目的地周辺に着きました。音声案内を終了します」

終了すんなッ!!

こっからだよっ!! こっからだよっ!!(半泣


そんなこんなで樹海を彷徨う事30分。

前方に一軒の日本家屋を発見。軒先に小さな看板が出ていて、その看板には「そば」の二文字。

ついに見つけた。ここだよ。ここ。

店に入ると10人くらいのスペースしかない店内にポツンと仙人の如き御老人が。

「いらっしゃい」


正直、この御老人を見た瞬間にビビっときました。

それは空手家や柔道家が相対した者の帯の結び方でその強さがわかるというヤツと同じでして

この御老人の全身から漂うオーラといったらもう!

絶対 素手でマキ割ってる! 

絶対 森の動物達に囲まれてる!

絶対 九連宝燈とかアガる!

これは期待できる!!メニューに目を通しながら、もうわくわく。

全部で6品くらいのレパートリー。

メニューで選べる品が少ないってところが、またなんとも玄人っぽいですね。

悩んだあげく僕はてんぷらそばを注文する事にしました。

「てんぷらそば下さい。」


仙人「すまんのう 今日 ソバ きらしちゃった。 天丼でいい?」









( ゚д゚)