DVDをレンタルしにTUTAYAへ行った時の事。
ゴロン!! ゴロン!!
何か重たい物が転がるような音がしたので音のする方に目をやると床に消火器が転がっていました。
消火器の近くには男の子なのか女の子なのか分からない3歳くらいの子供の姿が。
どうやら遊んでいて消火器を倒してしまったようです。
近くに両親の姿は無く、その子は一人で転がった消火器を台の上に戻そうとしているのですが
消火器、3歳児の力で動かすにはちょっと重いです。
起こそうとしては転がして、起こそうとしては転がして。
ちょ、あぶっ、あぶっ
うっかりピンでも抜いて消火器の中身をぶちまけようもんならその勢いで消火器本体が暴れ廻ります。
そうなったらその子にすごい勢いでぶつかるかもしれない。
離れた位置から見ていた僕も流石に見ていられなくなったので「大丈夫?」とその子に駆け寄りました。
するとその子は小さく 「うん。」と答えると、タタタタタタッと何処かに走り去っていきました。
ほっ、何事もなくて良かった。
僕は消火器を元に戻し、再びDVDコーナーへ戻りました。
〜そして、15年後〜
「あ、あのっ すいませんっ」
突然街中で声をかけられた僕は少し驚きながら振り返ってみると、そこには目を疑うような絶世の美少女が。
「私、15年前にTUTAYAでアナタに助けられた子供ですっ!」
「あぁ、あの時の!」
「あの・・・あの時、お礼言えなかったから・・・」
「そんな事構わないよ。当然の事をしたまでさ。」
「あのっ・・・わたしっ・・・わたしっ・・・」
「ん?」
「好きですっ!もう私の恋の炎は消火器でも消せませんっ!」
「!!」
・・・みたいな展開が期待できますよね!
できねーよ。
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